お客様インタビュー詳細
江井ヶ嶋酒造様は、延宝7年(1679年)の創業以来、「誠実を似って事に従い、誠実を以って人に遇する」という社訓のもと、品質と信頼を大切に酒づくりを続けてきました。明治には自社で一升瓶を製造し、大正にはウイスキーづくりに挑戦、昭和にはワイナリーや焼酎蔵を開設するなど、新たな挑戦にも積極的です。伝統を守りつつ革新を恐れない姿勢は、清酒「神鷹」やウイスキー「あかし」に息づき、今も誠実な酒造りを未来へとつなげています。
最初のきっかけは、日本酒造組合中央会が開いていた講習会でした。
そこでHACCPの話を聞いたものの、「衛生管理が大事なのは分かるけれど、具体的にどうすればいいのか」「HACCPって結局何なのか」という疑問がずっと残っていました。そんな思いを抱えながらも、その答えを探したくて毎回講習会に参加していました。
もうひとつのきっかけは、トーホービジネスサービスさんが当蔵に来てくださったときです。そのときにHACCP導入の大切さについて、より具体的なお話を聞くことができました。これまで重大な不良品やクレームはありませんでしたが、常にリスクと隣り合わせで仕事をしているという意識はありました。だからこそ「マニュアルをしっかり整え、品質管理を徹底し、不良品を未然に防ぎたい」という気持ちが強まったのです。
さらに、万が一トラブルが起きても、やるべきことが明確であれば責任を持って対応できますし、その安心感も大きな後押しになりました。
日本酒造組合中央会での学びと、トーホービジネスサービスさんからの具体的なお話。ちょうどその二つが重なったタイミングで、JFS-B規格を取得しようと決意しました。
正直なところ、JFSーB規格適合証明取得は「面倒くさい」と思われがちかもしれません。でも実際にやってみて分かったのは、これは義務ではなく「会社をより良くするためのツール」だということです。
適合証明を取得したことで、社員全員が「やらされている」という気持ちから解放され、「どうすれば楽して、いいものを作れるか」という前向きな目標を持てるようになりました。その過程で仕事のやり方を見直すことができ、会社全体がより効率的に動けるようになったと感じています。
特に良かったのは、弊社のトップが「JFS適合証明を取れば絶対に楽になる」と確信し、積極的にリードしてくれたことです。トップの姿勢がしっかりしていれば、社内の抵抗も減り、スムーズに進められます。
そして何より、JFS適合証明は「取得して終わり」ではありません。「昨日より今日、今日より明日」と少しずつでも会社を良くしていこうという意識が自然と根付きます。その結果、JFS適合証明取得は会社を“楽に、そしてもっと良くする”ための大きな一歩になったと思います。
代表製品「清酒 神鷹」
代表製品「ウイスキー EIGASHIMA」
やはり、取得までの道のりにはいくつかの課題がありました。
お恥ずかしながら弊社は会議というものが苦手でした。そのため、まず最も重要だったのは皆が集まる前の「準備」です。どんな会議を、どのタイミングで開くのかを事前にしっかり考えておかないと、会議を開いただけで終わってしまいます。「この会議は何のためにやるのか」を明確にし、無駄な時間をなくすことが最初のハードルでした。
次に大きな課題となったのは、社内のコミュニケーションです。JFS適合証明の取得には社員全員の理解と協力が欠かせませんが、新しいやり方に抵抗を感じたり、内容を十分に理解できなかったりする人も当然います。そこを乗り越えるには、相手の知識や性格に合わせて説明を工夫することが必要でした。専門用語を使わずに話したり、具体例を示したりすると伝わりやすくなります。さらに、「ただの業務」として伝えるのではなく、相手への配慮や気持ちを込めて接することで、自然と協力が得られるようになりました。
こうした課題を乗り越えるには、役割分担を明確にし、人選やコミュニケーションに気を配ることが本当に大切だということをJFS-B規格適合証明取得を通して学ばせて頂いたことは大きな収穫でした。
| 会社名 | 江井ヶ嶋酒造株式会社 |
|---|---|
| URL | eigashima-shuzo.co.jp |
| 事業内容 | 酒類製造業 (清酒・ウイスキー・ワイン等) |
| 所在地 | 兵庫県明石市大久保町西島919 |
| 創業 | 1679年(延宝7年) |